ノロウイルスによる感染性胃腸炎

ノロウイルスによる感染性胃腸炎は平成27年の統計で食中毒患者数の6割以上を占め、総患者数は1万5千人近くに上ると報告されています。感染は年間を通じてみられますが冬季(11月~翌年1月)に流行する傾向があります。

ウイルスの感染経路は多彩で、その多くが汚染された食品を口にすることにより感染すると考えられています。原因食品が特定されるケースは必ずしも多くないのが現状です。

感染した人の便や吐物にはウイルスがたくさん含まれています。感染予防には十分な手洗いが最も大切です。感染症状のある人は食品を扱わないこと。二枚貝などウイルスに汚染されている可能性のある食品は十分加熱(中心部の温度85℃~90℃で少なくとも90秒以上)することも大切です。

感染から症状が出るまでの期間はおよそ24~48時間。主な症状は嘔吐、下痢、腹痛です。発熱は軽度。多くは1~2日で回復に向かいます。治療は安静、水分摂取、栄養補給などの対症療法が中心になりますが、脱水症状が強い場合は輸液が必要になります。

検査キットを用いて便中のノロウイルスを検出することが可能ですが、健康保険の適応は3歳未満および65歳以上の方に限定されています