リブレのデータをスマホで取りこむ

ヨーロッパ各国で一足先に利用が始まったリブレ。リブレのデータをスマートフォンに取り込めたらとても便利ですね。この要望に応えるべく、公式アプリLibreLink(アンドロイド用のみ)を始めとして多様なアプリが開発されています。残念ながら公式アプリLibreLinkは現時点では日本国内での利用はできませんが、いずれは利用可能になっていくでしょう。

そこで一足先に今現在、国内で利用できるリブレ用アプリを2つばかり取り上げてみたいと思います。
(1)アンドロイド用アプリ”Glimp”と(2)iフォンでもアンドロイドでも使えるアプリ”LinkBluCon”です。
長い文章ですが興味のある方は是非最後までお付き合いください。

******************
(1)アンドロイド用アプリ Glimp

海外では公式アプリとして「LibreLink」が利用可能ですが日本国内では利用できません。これに代わるアプリとしてGoogle PlayストアからダウンロードできるのがGlimp(CTAPP  Software)です。アプリは無料です。Glimpは非常に使いやすいアプリです。ただし、これを使うには”NFC機能Type A/b”を搭載するグローバルモデルのアンドロイド携帯が必要になります。対応すると思われる携帯を文末に挙げておきました。参考になれば幸いです。今回、文章作成に当たってSAMSUNG Galaxy Note4:SM-N910U(海外モデル)を使って試用してみましたが問題なく使えました。

アボット社はリブレから得られるセンサーデータを独自のアルゴリズムで補正しているようですが、Glimpではこれは利用できません。そこでGlimpは手動キャリブレーションによる校正を可能にしています。指先で血糖測定をしてホーム画面上部の+マークをタップすれば血糖データの入力が可能です。入力したら右上の四角いボタンを押してデータセーブします。すると自動的に入力チェックが行われ、その差が大きい場合には補正が行われます。多くの場合3~4回の血糖測定値の入力で補正が行われるとのことです。血糖値が入力されるとホーム画面のグラフ上に反映されます。
初歩的なことですが、アプリ使用に際しては携帯のNFC機能をONにしておくこと、リブレにかざす際にはスマホのカメラ側をかざすこと。また、このアプリはリブレを起動することはできませんのであらかじめアボット社のリーダーでセンサーを起動しておく必要があります。

いろいろ便利なGlimpですが、このアプリはアボット社の承認を受けている訳ではありません。また、データの正確性を保証している訳でもありません。ご使用は自己責任になります。
Glimpはセンサー装着直後からのデータ読み取りや14日を超えてのデータ読み取りを可能にしていますが、それについてもデータの正確性は保証しない(but don’t guarantee accuracy of data)としていますので特に注意が必要です。

以下、操作画面などの説明です。

Glimp mainGlimp memo

ホーム画面の最上部はアクションバー。その下に、血糖値、インスリン量、カロリー、炭水化物、脂肪、蛋白質などの情報が表示されています。入力しなければ初期値として0が表示されます。さらにその下、画面中央部にグルコース値等のグラフが表示されています。最下段にはグラフの表示位置などを調整するボタンが配置されています。
ホーム画面上部のアクションバー中央の+ボタンを押すとMeasuring画面が立ち上がります。ここで血糖値などを入力することができます。
ホーム画面上部のアクションバー右端のボタン≡をクリックすると様々な情報を得ることができます。その中からCGM、Statistics、Devicesについて簡単に説明します。

【CGM(Continue glucose monitoring)】
このフォームを開いてスマートフォンをセンサー上に置いてアームバンドなどで固定しておくとGlimpは連続的にセンサーのデータを読み込みます。ジョギングなどの時に利用すれば設定した値を超えた時にバイブレーションで知らせることができます。この機能を使うには携帯の表示を常にオンにしておく必要があります。

【Statistics】
設定範囲を外れた%、平均血糖、標準偏差(ばらつきの指標)、推定HbA1c値などを表示します。

【Devices】
I use Freestyle Libreのところにチェックを入れるとリブレ関連の覚え書きが[Reminders form]に表示されます。

*********
<使ってみた印象>

英語表記ではありますが直感的に使える優れたアプリです。指先血糖値を入力することでセンサー値を補正できる点は正規のリーダーにはない機能と言えます。リブレ・パーソナルだけでなくリブレ・プロのデータが読み取れるのも便利なところです。
外出時にリブレ・リーダーを忘れることがあるかと思いますが、スマホを忘れる方はまずないと思います。人前でも違和感なく読み取り操作が可能です。アンドロイド携帯を使っている人にとっては便利なアプリだと感じました。難しく考えずに、アプリを取り敢えずインストールしてNFCオンの状態で動けば良いのかとも思います。ただし、相性不良の場合にセンサーが壊れる(breakする)可能性が指摘されていますので、使用期限の最終日にテストされることをお勧めします。
しいてGlimpの難点を挙げれば、リブレ・リーダーを使わなくなるとアボット社が提供するデータ解析ソフト(AGP)が使えなくなってしまうことでしょうか。AGPソフトはインスリン量の適正化などを考える上で非常に有用なツールです。外出時はスマホを利用しても家ではリブレ・リーダをかざすといった併用スタイルがよいのかもしれません。
近い将来、アンドロイド携帯を新しくされる方は下記(注1)を参考に、少なくともNFC Type A/Bを搭載した機種を選択されることをお勧めしたいと思います。公式アプリLibreLinkが日本に上陸した時にも役立つと思います。

*********
注1:NFC Type A/B
NFCとは「Near Field Communication」の略で、通信距離が10cm程度の近距離無線通信技術です。日本国内では「FeliCa」「NFC Type A/B」「NFC Type A/B/F」の3種類が流通しています。リブレのデータを読み取るには少なくとも「NFC Type A/B」を搭載している必要があります。
ご参考までに、現在分かっている範囲のモデル別動作状況を記載しておきます。Glimpのメイン画面右上≡ >Options>info>List of compatible devices にも記載があります。(そこには相性不良の携帯リストではセンサーが壊れる可能性(May break sensor)が指摘されています。)
これらから推定されるところでは、大手ではサムスン、グーグル(各製造メーカー)、ファーウェイのNFC搭載モデルがリブレに反応する模様です。
日本のソニー(日本モデル)、シャープ、富士通東芝、パナソニック、NECカシオ、京セラの物はNFCを搭載していても恐らく動作しないと思われます。
(これらの情報は※※さんに多大な時間をかけて調べていただきました。ここに感謝申し上げます)

********
<動作可能機種>
【ドコモ】
Samsung GALAXY SII LTE SC-03D ※OS更新の必要有
【au】
Samsung GALAXY SII WiMAX ISW11SC ※OS更新の必要有
【SIMフリー】
Google(LG) Nexus 5 LG-D821/ Nexus 5X LG-H791 ,  Google(Huawei) Nexus 6P H1512 
Huawei Mate S / honor 9 STF-L09 , LG G2 MINI LG-D620J
【海外モデル】※他の方の書き込みより
Bluboo Picasso 4G , Lenovo Vibe X3 , Motorola RAZR i XT890 / X Play XT1562
OnePlus 3 A3000 / 5 A5000 , SONY Xperia S LT26i / ion HSPA LT28h / SP C5302 / SP C5303 / SP C5306 / Z2 D6503 / Z5 Compact E5803 / E5823 / X F5121 / X F5122 / XA F3111 / X F3112 / X F3113 / X F3115 / X F3116 , WILEYFOX SWIFT 2 PLUS

************************
新旧シリーズが動作するので使えると思われるモデル
【ドコモ】
Google(Samsung) GALAXY Nexus SC-04D Samsung GALAXY Note SC-05D ※OS更新の必要有 / GALAXY S4 SC-04E / GALAXY Note3 SC-01F / GALAXY J SC-02F
Samsung GALAXY S5 SC-04F / GALAXY Note Edge SC-01G / GALAXY S5 Active SC-02G / GALAXY S6 edge SC-04G / GALAXY S6 SC-05G / GALAXY Active neo SC-01H / GALAXY S7 edge SC-02H / GALAXY S8 SC-02J / GALAXY S8+ SC-03J / GALAXY FEEL SC-04J / GALAXY NOTE8 SC-01K
【au】
Samsung GALAXY Note3 SCL22 / GALAXY S5 SCL23 / GALAXY Note Edge SCL24 / GALAXY S6 edge SCV31 / GALAXY A8 SCV32 / GALAXY S7 edge SCV33 / GALAXY S8+ SCV35 / GALAXY S8 SCV36 / GALAXY NOTE8 SCV37
【ソフトバンク】
Samsung GALAXY S6 edge 404SC
【SIMフリー】 Google(LG) Nexus 4 LG-E960 / Google(Motorola) Nexus 6 XT1100 div>

***********
<動作不可(無反応)>
【ドコモ】
SONY Xperia Z1f SO-02F / Z2 SO-03F / Z3 SO-01G / Z3 Compact SO-02G / Z4 SO-03G / XZ SO-01J
Panasonic ELUGA X P-02E / P P-03E
富士通 ARROWS X F-02E / NX F-01F
LG G2 L-01F
【au】
SONY Xperia VL SOL21/ ZL2 SOL25
SHARP AQUOS SERIE SHL25
京セラ URBANO L01 KYY21 / L02 KYY22 / L03 KYY23 / TORQUE G01 KYY24
LG Optimus G LGL21
【SIMフリー】
ASUS Zenfone 2 ZE551ML

*****************************
(2)アイフォンでもアンドロイドでも使える LinkBluCon

AmbrosiaNightRider

AMBROSIA SYSTEMS社のBluConというデバイスをリブレの上に載せることで、センサーデータをアイフォンまたはアンドロイド携帯にブルートゥースを介して送ることが可能になります。スマホ側ではブルートゥース機能をオンにしてLinkBluConというアプリをインストールしておく必要があります。アプリは無料です。BluConが5分毎にデータをスマホに送りますので常に最新のグルコース値がスマホ上に表示されるようになります。

BluConには使い捨てタイプ(Trans Am)と再利用タイプ(NightRider)の2種類があります。前者は防水機能あり、後者は電池交換が必要なので防水機能がありません。価格は使い捨てタイプが50米ドル、再利用タイプが110米ドルとなっています。製品は日本からも注文可能です。(ホームページアドレス:https://www.ambrosiasys.com/) 注文すると2週間余りでサンフランシスコから送付されてきます。
BluConの厚さは約5mm。リブレと合わせると1cm程度の厚みになります。使い捨てタイプは粘着テープで、再利用タイプはリブレにかぶせた後アームバンドやテープなどで固定します。再利用タイプは防水ではありませんので入浴時は取り外す必要があります。

使用開始の手順は概ね以下の通りです

1.いつも通りリブレセンサーを装着
2.”LinkBluCon”アプリをApple AppストアまたはGoogle Playストアからダウンロードしてインストール
3.”LinkBluCon”アプリを立ち上げる
4.BluConの上面にある小さな穴にピンを刺して赤いLEDライトの点滅を確認
5.アプリのConnect BluCon画面を表示させ、下部にあるScanボタンを押す
6.BluConが検出されると”Bluetooth Pairing Request”が表示される

PairingCode

7.BluConの側面に記載されているペアリング用コード(例:上図の6桁)を入力
8.ペアリングに成功すればBluConをリブレ上にかぶせてアームバンド等で固定
9.5分毎にデータを読み取るので、アプリにデータが現れるまで最大6分程度かかる

以下にLinkBluConアプリの使い方を説明します。

LinkBluCon main
上図がホーム画面になります。上部のタイトルバーの右側にブルートゥースのペアリング状態、電池の状態がアイコンで示されています。左上のボタン≡をクリックするとメニュー画面が現れます。その項目の幾つかを紹介します。

・Disconnect BluConまたはConnect BluCon:ブルートゥースのペアリングを止める、または繋ぐ
・Settings:Unit of Measurementで血糖値の単位をモルからmg/dlに切り替える
                  Target Glucose Rangeで目標血糖値の最低値、最高値を設定する
                  Speech AlertとNortificationsでアラームや言葉による警告(英語)の有無を設定する
・Caregiver:設定することでを他の人と共有することができる

Caregiverの設定について補足します。CaregiverのところをクリックしするとCaregiver List画面が現れます。その画面右上の+を押すと、Invite Caregiver画面が表示されます。ここで共有したい人の名前と携帯メールアドレスを入力してINVITEボタンを押すします。すると招待者リストに名前が表示されPending(保留状態)と表示されます。招待者には招待メールが届きますので、メールを受信した人はメールに記載されているアプリ:FollowBluConをダウンロードしてインストールします。このアプリでsign up登録してinvitation(招待)に対してaccept(承認)すればリブレのデータをみることができるようになります。(下図)

FollowBluCon

普通に携帯を持ち歩いている限りスムースに使えますが、BluConをはずしたり携帯から離れたりするとブルートゥースのリンクが切れることがあります。リンクの状態はメイン画面右上に表示されていますので、切れていたら再リンク操作が必要です。画面左上のボタン=>Connect BluCon=>Scanの順にクリックして再リンクを行います。数回繰り返してもリンクしない場合はBluCon本体の小さな穴に細いピンを挿してリセットする必要が生じます。このあたりの操作は小さなお子さんにはちょっと難しいかもしれません。途切れていた時間帯のデータをまとめて取り込みたい時には、ホーム画面最下部のSinc Allボタンを押します。この操作は電池をかなり消費するようで最小限にするようにとの記載がマニュアルにあります。Sinc Allのデータ読み取りは次のデータの取り込み時に行われますので5分程度かかることがあります。読込が終了すればSync Completeと表示されます。

ホーム画面最下部にはAdd Noteボタンがあり、これをクリックすることで食事、血糖値、インスリン、メモなどの入力が可能です。

*********
<使ってみた印象>

シンプルで比較的使いやすいアプリです。BluConの優れた点を挙げてみますと
1.かざさなくても常時リアルタイムにデータが表示される
2.設定をonにすれば低血糖アラーム、高血糖アラームが鳴らせる
  運動時や睡眠中に低血糖を知らせてくれますのでSAPポンプのような使い方が可能です
3.LinkBluConアプリはiPhone,アンドロイド両方に対応している
4.ブルートゥース経由で通信するので多くの携帯で利用できる
5.サーバーを介して他の人とデータをリアルタイムに共有できる
などが挙げられます。データの共有機能は優れもので、ケアをする家族の方が子どもの状態を離れたところから把握したいといった場合にはたいへん便利です。

デメリットとしては
1.BluConを載せることでリブレの厚みが1cm程度になって出っ張る
2.使い捨てタイプは高価
3.再利用タイプはアームバンド等による固定が必要で入浴時などに取り外さなければならない
4.時にブルートゥースのリンクが途切れることがある
5.再リンクがうまくいかないときにBluCon本体に専用ピンを刺してリセットが必要
6.センサー値の補正機能がなく、リブレ・リーダーの値との間にずれを生じることがある
などが挙げられます。
6番目の測定値のずれについて補足します。アボット社のリブレ・リーダーはセンサーから得られるデータを補正して表示しているようで、今回のテストでは、指先血糖値146mg/dlに対して5分後の正規リブレ・リーダーの値が141mg/dl、BluConの値が105mg/dlで、BluConは25%程度低めの値を示していました。Glimpにあるような補正機能が望まれるところです。
そして、ブルートゥースのリンク切れがなければもっと素晴らしいシステムのように思います。
とは言え、デメリットを補って余りある製品だと感じました。先に述べたアンドロイド用アプリGlimpに比べると使いこなしのハードルが少し高いですが、IT製品がお好きな方にはとても魅力的なデバイスと言えるかもしれません。